ジョージアの文化

(1)言語
公用語のジョージア語はカルトリ語(ქართული ენა、kartuli ena)とも呼ばれ、約410万人に話されています。33の文字からなり、曲線的で可愛らしい形が特徴的です。
近隣国と異なるルーツを持つと考えられていますが、ソ連時代の名残から、ロシア語からの借用語も多くみられます。最古の文献は5世紀に書かれたlacob TsurtaveliによるTsamebay tsmindisa Shushanikisi, dedoplisa(Martyrdom of Saint Shushaniki, the Queen.『聖シュシャニク女王の殉教』)という宗教文学です。

(2)食文化
ワインの発祥地として名高いジョージアは、国内でチーズやヨーグルトなどの乳製品が採れるほか、シルクロードの経過点として中東、ヨーロッパ、西アジアのアイデアや香辛料を豊富に使った料理が発展してきました。
地域によって、スパイスやコショウを多用するアブアジア料理、乳製品とハーブをふんだんに含むアチャラ料理、鶏肉とコーンブレッドで作るイメレティ料理、フルーツと野菜が鮮やかなカルトリ料理などさまざまです。

(3)宗教
大多数がキリスト正教会を信仰しています。正教会の伝承によれば、キリスト教は使徒シモンとアンデレによってジョージアで最初に布教され、337年に国教とされました。5世紀に聖書がジョージア語に翻訳され、これによりジョージア語が発展しました。しばしばイスラム教徒と戦争し、支配を受けていましたが、ロシア帝国に併合されてからはロシア正教会がジョージア教会を傘下に置いて終結します。ジョージア正教会がジョージアの主流となるのは、その後1991年に独立したのちのことです。
ジョージアの憲法では、ジョージア正教会の歴史的重要性を認める一方で、国家から独立した存在であることを規定しており、国内にはイスラム教信者やアルメニア教徒、カトリック教徒なども居住しています。

(4)音楽
〜歌〜
山岳音楽ポリフォニー(多声音楽)は紀元前1世紀ごろに起源するジョージアの伝承文化で、2001年にはユネスコ世界無形文化遺産に登録されました。合唱の原点とも言われ、西洋と東洋が融合したような独特の音階とリズムが特徴です。 宴会の席ではしばしば民謡が披露されます。儀礼、労働、恋愛、哀悼、童話、英雄などのテーマが揃いますが、スターリンのお気に入りだった「スリコ」はロシアを中心に有名です。

〜道具〜
行事や舞台で纏うチョハという衣装は、ベルトに短剣、胸に火薬入れが並ぶ軍服で、「風の谷のナウシカ」の軍服のモデルとして話題になりました。伝統の太鼓や縦笛、弦楽器も有名です。

〜団体〜
ジョージア国立民族合唱舞踊団のルスタビは、1968年に創立されて以来世界80カ国以上で5000回のステージを披露しており、優雅で神秘的な演目が高い評価を受けています。また、国立バレエ団スヒシュビリは、1945年に設立され、これまでに9千万人以上が鑑賞しています。

(5)建築
歴史的な街並みと近現代の非常に斬新で美しい建築が融合したジョージア。
宗教建築は、古くからのバシリカスタイルと古典的なドーム型を組み合わせた「クロスドーム型ジョージア様式」が9世紀に現れたことで有名です。
特にジュヴァリ聖堂や寺院スヴェディ・ツホヴェリ大聖堂、シオニ教会などは、一度は訪れるべき名所です。
その他、軍事建築としての要塞、外国の影響を多分に受けた独特な市民建築も魅力的です。

近現代には、モダンで斬新な建築も現れています。中でもコンサートホールや旧交通局(現ジョージア銀行)、ピースブリッジの目を引く美しさは世界各国の観光客を集める人気スポットです。 詳細はブログでご紹介していく予定です。

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