農業の集約化や工業化で国力を伸ばし、第２時世界大戦を勝利に導いたスターリン。一方で、強固な独裁体制の中で行った「大粛清」では、250〜1000万人が命を落としたと推定されています。その生涯を賞賛と崇拝の中に終え、死後激しい非難を浴びることになったスターリン。その存在を今なお伝え続けているのが、彼を産んだ都市ゴリにあります。
ヨセフ・ベサリオニス・ゼ・ジュガシヴィリとしてゴリに生まれた彼は、裕福でこそないものの、非常に優秀な成績を収める学生でした。その後徐々に社会主義思想に傾倒し、21歳のときには、革命家としてロシア転覆を計画します。自身をスターリン、ロシア語で「鋼鉄」と名乗ったスターリンは、39歳で転機を迎えます。レーニンによるロシア革命により要職につき、権力を拡大していったのです。46歳のときレーニンが没し、ソ連の最高権力者となるに至ります。国力増強、戦勝を経て、冷戦の東側を率いたスターリンは、74歳で激動の生涯に幕を閉じました。脳卒中とも陰謀とも言われる死の真相は闇の中です。
博物館では、彼の人生を時系列順に追うことができますが、ジョージアへの赤軍侵攻と大粛清には言及されていません。第２時世界大戦の展示は少ないながら設けられています。
屋外にはそのまま移設してきた生家や、ヤルタ会談への往来に用いた車両があり、中を見学することができます。世界に唯一とも言われるのが、公然と立つスターリン像。2010年までゴリの中心街にもありましたが、警察の監視のもと、メディアの報道にストップをかけての撤去が行われました。
年中無休の館内では、入場料に含まれるガイドが案内してくれます。英語/ロシア語/フランス語/ジョージア語が利用可能です。
開館時間：10:00〜17:00
料金：15GEL
公式HP：https://www.stalinmuseum.ge