中世の洞窟住居群はさながら迷宮のようです。洞窟でありながら、内部にはカラフルなフレスコ画が描かれた修道院もあるのが面白いところです。集合住宅のほか、教会、薬局、学校、ワインセラーの跡まで残っている貴重な遺跡です。
その名「ヴァルジア」は有名な伝説に因みます。タマル女王が幼少期に叔父と狩りに出かけた際に、この洞窟で迷子になってしまい、「ak var dzia(私はここよ、叔父さん)」と呼びかけたことで見つけ出されたという物語です。
信仰とたゆまぬ努力が築いたこの洞窟は、通説では10〜12世紀に造られたのち、オスマン帝国侵攻から400年の間放置されていました。地震で崩壊した20世紀末、ソ連による発掘がこの地に及び、修道僧たちが戻るに至ります。
「聖母マリアの永眠教会」は、広いホールに一面の壁画が描かれたこの洞窟のハイライトです。キリストの生涯や最後の審判、聖ステパノといった宗教画や、洞窟を拡大したジョルジ3世とタマル女王も描かれています。
3Dスキャンによる最新の解析は、この構造が19階建て、6000部屋に相当することを明らかにしています。もしかすると、現在発掘されている13階建ての部分より先には、いまだに古くの謎や伝説が隠れているかもしれません。
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