スヴェティツホヴェリ聖堂(Svetitskhoveli Cathedral), ムツヘタ

この聖堂が特別キリスト教信者の信仰心を集める理由が、「外衣の伝説」にあります。

発端はキリストが処刑された際、巡礼者が亡骸のローブをローマ兵から買い取りこの地に持ち帰ったことでした。これを妹シドニアに渡すと、彼女は喜びのあまり亡くなってしまいます。ローブは彼女の手から離れなかったため、ローブも共に埋葬されることになりました。
その後、彼女の墓から生えた大きな杉の木が生えてきました。教会を建てるために木を切り倒すよう命じた聖ニノは、この木をもとに7本の柱を作らせます。この柱は不思議な力を持ち、ひとりでに空中に浮き上がりました。聖ニノが一晩祈ると地上に戻り、7本目の柱からは、人々の病を癒す聖水が流れ出したといいます。
これらの柱を中心として建てられたのが、スヴェティツホヴェリ聖堂の前身である木造教会なのだとか。その後もこの柱はいくつもの奇跡を起こし、ジョージアの人々の信仰心を集めています。

この伝説から、聖堂は「命を与える柱」という意味で「スヴェティツホヴェリ」と名付けられました。伝説が人々の中に受け継がれてきたことを伺わせます。

この伝説にある柱は見学可能です。カラフルなフレスコ画が隅々まで描かれた柱は、聖堂の見どころの一つ。柱の足元が見えるように床が一部透明になっているのも嬉しいポイントです。

トビリシに遷都した5世紀の国王・ヴァフタング1世の墓や、ペルシアに対抗してジョージア東部の再独立と統一を成し遂げた18世紀の国王・エレクレ2世の墓も見どころです。

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